僧侶的  いま・ここ

仏教とは、仏の教え、つまり、ものの見方の事                 【禁】複製・転載

方便

方便とは、 梵語ウパーヤ の漢訳。
近づく、 到達するの意。 巧みな方法を用いて衆生を導くこと、 真実の法に導くための仮のてだてとしての教え、 巧みな教化、 差別<しゃべつ>の事象を知って衆生を利益<りやく>する智慧などの意味があります。

方は正しい、便は手段という意から、方便。


先代の住職の法事では
『寿量品偈』か『普門品偈』、『大悲心陀羅尼』を読誦し、『舍利礼文』で焼香。
控えの間で、お茶を頂きながら、法話。


現在の住職の法事では
参列者に教本を渡し、これから読むお経の意を説き、『修証義』か『父母恩重経』を共に読誦し、『舍利礼文』で焼香。
控えの間で、お茶を頂きながら、法話。






方便・・・正しき真理を見失うことなく   時・所・位・量に応じて




葬儀・法事


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あたりまえの事

ご葬儀を終えて、設斎での事。


喪主:「本当にありがとうございました。
    とても、素晴らしいお経で、家族も親戚も喜んでおります」

愚僧:「お経の意味がおわかりになられましたか?」

喪主:「はい、何にもわかりませんでした。
    でも、そのお経の時間が、素晴らしかったです。」

愚僧:「?」

喪主:「その時間だけは、亡くなった母の事だけを思う事ができました。
    その時を持てた事が、本当に、ありがたかったです」




宗教者の大切な使命のひとつは、生において最も厳粛な時である命の終わりを、遺された家族と共に共有する事。



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昨今の葬儀に対する不満は、宗教者がその勤めを果たさない事にも起因すると考えております。
例えば、通夜や葬儀のお勤めはしても、法話をしない。
授けた戒名の意味さえ説こうとしない。
火葬場への随行は多忙を理由に断るか、オプションとして料金を加算する。
そして、求めるお布施は、あまりにも法外な高額なもの。

これでは、人が亡くなるという最も厳粛な時をその宗教者が冒涜している、と申しても過言ではないでしょう。

人が亡くなるということを、いかに見るのか。
これを説くことこそが、葬儀における宗教者の務めであると思うのです。

昨今では・・・
葬儀司会の方の話が法話よりも心に響き、
担当者が宗教者よりも葬家に寄り添い親身になり、
葬儀社がグリーフワークを提唱し、宗教者まで養成する。

このままでは、寺院は箱だけとなるかもしれませんね。

私の思う葬儀、それは、自分の肉親を亡くしたときと同じ様に執り行う事。
今の私なら、通夜・葬儀・初七日の読経、火葬場への随行はもちろん、希望あれば枕経、そして、その後の回忌法要も行いたい、と。
経済的な理由だけで、炉前でのみの法要を選択する人がいるのなら、そのお布施で通夜も葬儀もしてあげたい、と願っております。

出会った方々とのご縁を大切にし
その時々の法話で、仏の教と何か、を伝えていけたら、と。

しかし、本来、この思いは特別な事じゃないはずです。当たり前の事。



葬式仏教と揶揄されながらも、残念ながら、現在の寺院経済の地盤は、葬式や法事が主たるのも、また事実です。


 
ならば・・・
心のケアまで含めた仏教的な葬祭の確立を考えるべきだ、と。




葬儀・法事


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喪失感

別れの喪失感、特に、死ぬ事での別れは、何をもってしても、それを埋め合わす事は困難なことだ、と思うのです。

たとえ、世界中のお花を買い占めて、祭壇を飾ったとしても。
たとえ、世界中の線香を買い占めて、故人に手向けたとしても。
たとえ、何百人の僧侶を呼んで、葬儀を執り行ったとしても。

何をもってしても、その喪失感を埋め合わせることはできないでしょう。

なぜなら、死者は生き還りはしないから。
なぜなら、その人の存在があまりにも大きかったから。

一家の大黒柱を失った夫人と子供たち、生まれて間もなく力尽きた子を持つ夫婦、事故や事件に巻き込まれた家族。

死は人を選びません。

会えば別れる、生まれれば死ぬ。
この真実を頭ではわかっていても、やはり、大切な人との別れは不条理で、切なく、寂しく、やるせないものです。

葬儀という命の最も厳粛な瞬間と向かい合う時。
ただ静かに、その過ぎ行く時間を愛惜すること以外に、その死を悼み、その故人を偲び、別れを受け入れる最良の方法はないでしょう。

その大切な時間を、悪徳葬儀社や心無い宗教家に汚されるのは論外ですが、あえて、【感動の葬儀】を作り出す必要はないと思うのです。

それとも、今の時代、人の死すら、演出を借りなくては、心に響かなくなったのでしょうか?

葬儀・法事

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