僧侶的  いま・ここ

仏教とは、仏の教え、つまり、ものの見方の事                 【禁】複製・転載

菩提寺について [2]

作務衣に剃りあげた頭、頭陀袋を持つ私の姿を見て、「お坊さん?」と、乗り込んだタクシーの運転手が、勝手にしゃべり始めた。


昭和40年頃も、東京に出て働くのは当然の事だった、と。
その後は色んな職を転々として、今じゃあ、この年になってもタクシーに乗って稼いでるよ、と。


「曲がりなりにも家庭をもって、息子二人も独立して、今はかみさんと二人暮らし。
家を建てる甲斐性はなかったけど、それなりに楽しかったさ。
たまに見る孫の顔は、嬉しいね。なかなか、会いにこないけどさ。
競馬と酒ぐらいかな、あとは、何年かに一度、旅行する事かなぁ。

あのさ、お墓の事なんだけどさ・・・2年前、故郷のお寺に墓地を買ったんだ。
先祖代々は兄貴が守ってるから、自分たち夫婦のをね。
永代供養ってやつでさ。
息子たちに面倒をかけるのは嫌だし、自分たちの事は自分たちでしようと思ってさ。
かみさんも同郷で、やっぱり、故郷が恋しくてね。

そこのお寺ね、80歳を超えた優しい和尚さんでさ。
かくしゃくとしていて、村の人たちも尊敬してるんだよ。
ただ、跡取りの息子さんが事故で死んじゃって、その娘さんが大学を出たら跡を継ぐって話だったんだよなあ。

でもね・・その娘さんも事故でさ。


和尚さんは、ショックで入院したらしいんだよね。
もう年だしね、跡取りいなくなっちまって。

こんな場合、どうなるんだろう?
どこかから、新しい和尚さんが来てくれるのかな?
本山から派遣してくれるのかな?

兄貴から聞いたけど、檀家みんなが気にしているって。
そりゃそうだよなあ。
でもさ、田舎の小さな村だからさ、誰も来てくれないんじゃないかって。
住職さんも息子さんも学校の先生をしながら、お寺をしていたからね。
だから、誰も来てくれないんじゃないかってね。

でもこのまま、お坊さんが来なかったら、お寺やお墓はどうなるんだろう?

あのさ、どうなるの?」



心情的には何とか力になってあげたい。
けれどおそらく、現実的な処理が行われる。あるいは、政治的に解決される。





「どうなるのかな。でも、いい方向に転がっていくといいね」






牧師さんは、協会からの派遣で赴任するらしい。
だから、何年かに一度、布教の為に引越しをしなければならない。









MEMO

1、出世寺

2、一所不住

3、牧師と神父




寺院の在り方


11 Comments

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2007/11/29(Thu) 14:44:46 | | [ Edit]

う〜〜む・・・

タクシーの運転手さんの話を通して、こんなことを知るとは思いませんでした。

・・・・・そうか、そういうこともあるんですね。う〜〜〜ん・・・・そうか。
2007/12/01(Sat) 13:25:55 | URL | ひろみつ [ Edit]

難しい問題ですね。
色んなところで
後継者問題…。

お寺や神社までもが
後継者問題。

魂の住む場所は
ずっと続いてほしい…。
2007/12/01(Sat) 16:28:12 | URL | 白蓮華 [ Edit]

ひろみつさん

どこに行くにも、夜の街でも、作務衣か法服なので・・・話しかけられる事がよくあります。
生きていりゃ、愚痴のひとつもこぼしたい時はありますものね。

2007/12/02(Sun) 01:53:47 | URL | 慧 [ Edit]

白蓮華さん

人の世の移り変わりや浮き沈みは、諸行無常の理。
清浄でありたいものです。

2007/12/02(Sun) 01:54:10 | URL | 慧 [ Edit]

あ〜。

読んでいて情景が浮かんできました。
タクシーの運転手さんの話にしみじみ。。。
「それなりに楽しかったさぁ」なんていわれたら、おじさんまだまだこれからですよーなんて言っちゃいそうです(笑)

おじさん、きっとお坊さん来ますから大丈夫ですよ!私もお願いしておきます!


キリスト教は宗派によって異なりますが、確かメソジストなどは数年で就任先が変りますね。牧師さんの人柄や活躍で教会のメンバーが増えたり減ったり。。。

バイブルベルトに住んでいるので、教会や神様とその教えが人々の生活にどれだけ密着しているかよくわかります。娘の通う保育園も教会に付属してますが、先日も“ベイビー・ジーザス”の話をしてくれました。まだ3歳ですがこの時期から自然と身近に神様を語れる娘を、おおおお!と思ったりしています。

話がズレちゃいました。
2007/12/02(Sun) 02:22:15 | URL | アラモ [ Edit]

寺院の世襲制

15年前当時、独身で一人っ子なので「私の代で墓は永代供養に移る」と考えていた私自身、自分の菩提寺のご住職が40代でようやくお子さまを授かったとうかがったとき、ホッとしたのを憶えております。

世襲制は、わが国の仏教が、政策との密接な絡みにより“肉食妻帯を可能にした”という、宗教的には例外的な規定から生まれたといわれます。檀徒が核家族化するとともに、寺院の側もまた、本山からの派遣スタイルになるのか……。
しかし宗教法人法ができた現在では、本山も、各寺も、法的には同じ地位にあります。ここに、困難な問題が生じそうです。
“葬送を考える行政書士”といたしましても、深く考えてゆかざるを得ない課題であります。
2007/12/02(Sun) 22:00:06 | URL | Okei [ Edit]

切実ですね。

本当に・・・。

後継者問題で、悩んでいない寺院の方が少ないような気がします。

それはお寺だけでなく、一般家庭にも言える事ですね。後継者がいないと先祖を祀る人間がいなくなる。
これから、そんなお寺や家庭はどんどん増えてきます。

・・・・う〜〜〜ん。切実・・・。
(こればっか ^_^;)
2007/12/03(Mon) 11:14:19 | URL | 神原 [ Edit]

アラモさん

>まだ3歳ですがこの時期から自然と身近に神様を語れる娘

私も、おおおお!と思いました。
目に映らない世界がある事を、幼い時に学ぶのは大切だと思います。

最近、死に関する絵本<幼児向け>を読むように努めております。
2007/12/04(Tue) 09:27:26 | URL | 慧 [ Edit]

Okeiさん

何事にも良し悪しは、あるものです。そして、グレーの部分も。案外、このグレーの部分にこそ、味わいがあるもの。
良いか・悪いかと断罪するのではなく、必要か否かの視点も大切だと思います。
2007/12/04(Tue) 09:31:13 | URL | 慧 [ Edit]

神原さん

先日は、力になれずに失礼いたしました。
良いご縁が現れます事を祈念いたします。
2007/12/04(Tue) 09:33:14 | URL | 慧 [ Edit]
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