僧侶的  いま・ここ

仏教とは、仏の教え、つまり、ものの見方の事                 【禁】複製・転載

菩提寺について 〔1〕

菩提寺<ぼだいじ>という言葉をご存知でしょうか?
檀家<だんか>という言葉はどうでしょう。

檀家として属するお寺の事を、菩提寺といいます。
檀家制度の成立に関しては、歴史的な考証が欠かせませんが・・・




先日、友人の母親から、サークル仲間の愚痴を聞いてあげてくれないかと、電話がありました。
これもご縁と、待ち合わせの品川の喫茶店へ行きました。


穏やかそうなご婦人でしたが、よぽど腹に据えかねていたのでしょう。
自己紹介の後、憤り冷めやらぬご様子で、話しがはじまりました。


「実は、この連休に、母の3回忌を行いました。
ご住職様は不在という事で、跡取りの長男がお経を読んでくれました。
その人は、私の子供よりも若く、まだ25歳前後でしょうか・・・
その姿は、肩まである金髪で、耳にピアスをして、衣を着てました。
驚くというか、あきれてしまって、言葉がでませんでした。
●●宗って、あんな格好が許されているのですか?」


「まぁ、お観音様も長髪ですし、耳にピアスもしていますからね。
私は、その人にお会いした事がないので知りませんが・・・
何か、素晴らしい信条があってのお姿ではないでしょうか」

と、お答えしたら、間髪入れずに「いいえ、そんな人ではありません」と、声を震わせてさえぎり、その日の出来事を一気に吐き出しました。



「父親と私たち家族、そして、妹の家族で、お寺に行きました。
お手伝いの女性の方が、控え室でお茶を出してくださいました。
約束の時間になった頃、その女性が本堂に案内してくださり、今日はご住職は不在だから、ご長男さんがお勤めしますと説明されました。

しばらく待っておりますと、あの姿で長男が現れました。
そして挨拶もなく、いきなりお経が始まったんです。
しかも始まったかと思うと、10分位でお経が終わりました。
そして、ただ一言。
お焼香をして、お墓におまいりください、ですって。

帰り際の玄関にお寺の奥様が現れ、お布施をお願いしますって。
母は院号でして・・・お布施として15万以上、お膳料で1万円。
塔婆代として、8本分4万円、計20万円以上を請求されました。
お包みしたものをお渡しすると、「確認いたします」と言って、なんとその場で、中のお札を数えはじめたんです。
そして、「領収書は必要ですか?」って、言われました。

今まで、お寺のご住職とお目にかかったのは、一度しかないんです。
お参りしても出てこられないんです、会議だとか打ち合わせだとかで。
葬儀社さんの紹介で、葬儀のお願いに伺った時に、一度だけ。
お檀家になるという約束で、墓地を分けてもらいました。

通夜や葬儀、そして初盆や1周忌の時にお勤めされたのは、ご住職ではありません。そのお寺で働いてた年配のお坊さんが、お経を読んでくれました。
いろいろとお話してくださる気さくな方でしたし、私たちもこの方ならって思ったのに。今春、辞められたそうです。

両親はともに信州の出身で、この町に居を構えて50年になります。
父は四男でして、信州のお寺は長男の伯父が継承してます。
もっと前もって、お寺やお墓について調べたり、探したりしてば良かったと、後悔してます。
今となれば、遅いですが・・・


お墓参りの後、父親が呟きました。
「母さん、喜んでいるのかな?これで、母さんの供養になるのかな?」
この言葉を聞いて、私と妹は、その場で泣き崩れてしまいました。
とっても、悔しくて・・・」



時折、ハンカチで目元を押さえながら、およそ2時間半。
その間、私は言葉を差し挟むことなく、コーヒーを3杯。


そして、別れ際に一言。 

「あのお寺の檀家を辞めます」





あなたは、どこかのお寺の檀家さんですか?
その菩提寺の名前や宗教が答えられますか?
その菩提寺のご住職の顔と名前はわかりますか?



MEMO

1、離檀
2、改葬
3、離檀料


寺院の在り方


20 Comments

Comment

こんにちわ。
菩提寺について 読ませて頂きました。1年ほど前実父がなくなり、父の意志で住んでいる土地と遠く離れた父の生まれ故郷の真言のお寺にお墓ができました。それまで全くおつきあいのなかったお寺でした。

しかも住職様は無口。いろんな葬儀の式関係で執り行われていることが全く意味も分からず、聞いても答えてくれず。

どうしようもなかったので、ネットで知り合った別の真言宗のお坊様に携帯の写真をとって、「これはなに?」と教えて頂いてます。

こうなると一体、菩提寺ってなに?状態なので、父の寺はトモカク、自分達のことをよくかんがえてみようと気になるお寺には行ってお話しをきいて、お坊様とも親しくさせていただいてます。まず、わからないことには信仰どころじゃないかもしれません。というところです。
2007/05/08(Tue) 20:06:53 | URL | rieko [ Edit]

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2007/05/08(Tue) 21:21:50 | | [ Edit]

結局は『人』です。

ご無沙汰いたしておりました。先般は当方のブログにコメントいただきありがとうございました。
人と関わりをもつ時、相手に対しての配慮、最低限のモラルが欠如しているのでしょうね。この若僧侶にはというか、この寺自体のモラルとして例えばGパンにTシャツで法事の読経はしてはおかしいが、金髪にピアスは許されるという基準が成り立っているのでしょう。こういう寺こそ寺としての自覚がなく、一般人よりも「偉い」と勘違いしているように見受けられます。
「お寺さんは偉いんでしょうか?」
最近の若い警察官を見ても同様に感じられることがあります。権威を傘にしている人を見ると気分が悪くなります。私の業界も特徴的で私はそういう慣習を払拭しようと努めています。
2007/05/08(Tue) 23:37:33 | URL | ボス [ Edit]

厳しい「お仕事」ですねw

そこまで「期待」される「職業」ってのもそうそうないですよねぇw
そんな話を聞けばお寺のくせに?って思うのがそもそも間違いなのかも、しょせん人間だしwなんて言ったらまじめに勤めてらっしゃる方には失礼かもですけども。
それまでのお付き合いもなく金だけで院号もらってからにって言い方もできるし、考え方次第でなんとでも言えるけど、まぁどっちもどっちだなwと思ったり。
やはり”見合ったところにご縁ができる”のかなと思ったり。

ところで、改葬はともかく離壇料なんてのまであるんですか?手切れ金ですか?w
2007/05/09(Wed) 02:08:17 | URL | こげ [ Edit]

関東のお寺は・・・

先日、当地の仏教連合会で、行事の後の反省会=慰労会がありました。その席には、青年部も多数参加しておりました。もちろん、仏連ですから、多種多様ならぬ多宗多派ですが。

その中の真言宗の若手が、関東の同宗のお寺の行事に手伝いに行ったときのこと、・・・といっても、今年の年頭のことだそうですが、様々な業者がお寺に入り込んでいて、まるで小さなイベントホールのような感じだった、と憤慨していました。

和尚さんの姿は見られず、各業者が派遣してきた社員が参詣人の応対をしていて、これじゃ、宗教法人を宗教産業従事者が乗っ取ってしまったようなものじゃないか!と怒りがフツフツと湧き上がり、約束の行事のお手伝いもそこそこに、当地に帰ってきた、と話しておりました。

時代に取り残されてこそ、和尚でありお寺であることの良さがある、その良さは、和尚自身にとってもお寺のありようにとっても、そして、檀家や地域住民にとっても、意義があるものだ。

たとえお寺といえども事業を営まなければなりませんが、ハード(設備)面、ソフト(仕組み)面では近代化も必要でしょうが、これらは言わば(目的に対する)手段。
ハート(心意気)は、時代に取り残された岩の如きモノカネよりも義理人情、(資本主義的効率の論理に逆らう)札束の札束の厚さよりも足を運んだ回数に価値を置く思想で熱く燃えていなければ、自分自身がモノカネにまみれて堕ちてしまいそうです。

ふぅ〜〜〜〜
2007/05/09(Wed) 06:35:40 | URL | 大閑道人 [ Edit]

このようなお寺さんの驚く話は多いですよね。この間も、辞めときます。罰が当たりそうですし、人の振り見て我が振りなおせ……ですね。
2007/05/09(Wed) 09:08:02 | URL | Mana [ Edit]

難しいですよね

宗教とお金は出来れば切り離したいはずですが、経営をしなければならないのも事実。
しかし、何のためにお寺が存在しているのかを問い直す時なのかもしれません。檀家も菩提寺もともにです。
問題を避けてきた「つけ」が....今なのではないでしょうか?
2007/05/09(Wed) 09:28:26 | URL | 晴 [ Edit]

う〜〜ん(絶句)

ただただ、ビックリして読んでいました。・・・・・・あるんですね、そんなことが・・・・・。お気の毒だな、よっぽどのことだったんだなと痛ましく思うだけで、何とも言いようがありません。

みなさんのコメントをもっと読んで学びたいと思います。
2007/05/09(Wed) 20:48:20 | URL | ひろみつ [ Edit]

riekoさん

さすが、お坊さん・お寺マニアと称するだけあって、ご縁がひろいですね。
自分にとって菩提寺とは何か、の視点は、とても大切だと思います。
2007/05/09(Wed) 21:49:58 | URL | 法慧 [ Edit]

ボスさん

不遜な態度もまた、煩悩の現れだと思います。決して、周りを幸せにはできない。
自分自身に謙虚でありたいと、思います。
2007/05/09(Wed) 21:54:57 | URL | 法慧 [ Edit]

こげさん

どの職業も、同じでしょう。そして、どんな人も、また、同じだと思いますよ。
墓地は更地にしなければなりませんが、離檀料は、ご住職次第のようです。
2007/05/09(Wed) 22:01:52 | URL | 法慧 [ Edit]

大閑道人さん

愚直に、「法輪転ずるところ食輪転ず」と信じております。
だから、駄目なのかなぁ?
2007/05/09(Wed) 22:05:05 | URL | 法慧 [ Edit]

Manaさん

こういう噂って、足は速いですが、不思議と本人には聞こえてこないものですね。
勉旃、勉旃。
2007/05/09(Wed) 22:07:31 | URL | 法慧 [ Edit]

晴さん

坐禅堂を建てたいと発願しておりますが・・・なかなかねぇ。

2007/05/09(Wed) 22:12:07 | URL | 法慧 [ Edit]

ひろみつさん

この一例をもって、今のお寺やお布施の多寡について展開するつもりはありません。
檀家制度の成立に目を向けるような契機となればと、思っております。
まぁ、ブログですから、そこまで書いてもなぁと、思ってもいますが・・・
2007/05/09(Wed) 22:22:56 | URL | 法慧 [ Edit]

法輪転ずるところ食輪転ず

これは、心意気ってことでしょう。

坐禅堂を建てたい、という発願の向こう側になる困難さ=坐禅堂を維持する、が見えてしまって、だから、足がすくみます。


今回、当山の降誕会でお迎えした講師の和尚さん。真言宗の方ですが、1000年の歴史を持つお寺。しかも、神仏習合時代の400年の歴史のある年間行事を一人に担っております。

彼の大変さは、自分がその行事を担っていることではなく、自分がその行事の後継者を見つけ、育てることなのです。
しかも、「後継者」とは、行事の支援者の後継者も含みますから、責務の重大さは並大抵じゃない。

私にはとてもできない。

しかし、人には、必ず必要とされる場所があるから、私は、私に課されたことを、淡々と行うしかない。


これは、謙虚とか傲慢とか、そういう二項対立の心持ではない、と思います。


しなければならないことをし続ければ、それに相応しい事象が現前してくる、と。

(ところで、私自身の「しなければならないこと」ってなんなのだろう。人生二万日を通過したばかりの今でも、サッパリわからない・・・。人生、修行中)
2007/05/10(Thu) 07:17:12 | URL | 大閑道人 [ Edit]

私はまだ 両親が健在なので
お寺の檀家ではありませんが
両親ともいい年ですし
そろそろ考えておかないといけない問題なのかもしれません…。

夫の実家では やはり檀家になっていて
2代目住職が 夫の先輩でもあることから
とても親しみやすくて好評です。

子供のころから 近所の人たちと親交があるので 若い頃はこうだった あ〜だったと
いろいろ言われて 大変なのでしょうが
解りやすい説法と よく響く声…

お酒も飲むし 煙草も吸ったりして
身近な感じがします。
2007/05/14(Mon) 14:53:27 | URL | 白蓮華 [ Edit]

大閑道人さん

室内三物の重さを実感しております。
「断絶せしむる事なかれ」、を。
2007/05/16(Wed) 19:05:22 | URL | 慧 [ Edit]

白蓮華 さん

普段からの、付き合いが大切ですよね。
死んでから、付き合ったのでは、文句も言えませんもの。
2007/05/16(Wed) 19:11:10 | URL | 慧 [ Edit]

まったく!、です。

「断絶せしむる事なかれ」
2007/05/17(Thu) 07:40:01 | URL | 大閑道人 [ Edit]
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